蚊など虫があまりにひどい時は、生きたまま食べられてしまうのではないかと思うほどです。グレーシャーベイ(Glacier Bay)国立公園のどこに行っても、ウマバエ、メクラアブ、ブユ、ヌカカ(糠蚊)、蚊など刺咬(しこう)性昆虫がいます。風のない夏の浜辺沿いが一番ひどいです。写真のクマの背景に見えるブレイディ氷河(Brady Glacier)は、クマからそれほど遠くないところにありますが、そこでは全くと言っていいほど刺咬性の虫がいません。 キャンプ仲間の間では、クマ対策より刺咬性昆虫、特に蚊対策に時間をかけます。クマは人間を好んで食べるわけではありません。浜辺でクマから45メートルほど離れたところに立っていても、おそらくクマは通り過ぎ森に入ってしまうでしょう。刺咬性の虫は違います。一瞬のうちに襲ってきます。クマ対策としてクマ撃退スプレーも銃も持たないのに、虫除けのために軽量で、通気性があり、防水性のテントを何年もかけて探し、どんなに高価でも購入する友人も何人かいます。キャンプの必須用具には防虫剤、頭に被る虫よけネットの他、出来るだけ虫刺されを防ぐため、薄い数枚重ねの衣類を必ずリストします。 写真: Bill Eichenlaub