バートレット・コーブ(Bartlett Cove)キャンプ場への道を歩くと、キャンプ中のみすぼらしい姿の人がキャンプ用品を山積みにした手押し車をやつれた顔で押しながら歩いている様子、野イチゴ摘みに出かけた人が貴重な収獲場を他の人に見つけられないよう警戒する様子、ヘラジカ(箆鹿)が薮の中でむしゃむしゃ食べ、木々の間をバリバリと音を立てて進む様子などが目につきます。そして、この写真のような木々。この道に沿った木々には、ずっと以前の氷河、氷河の後退、それに続く生物の復活の歴史、荒れた氷河岩から青々とした雨林への変化が刻まれています。倒木から一連に生えるトウヒ、そのうち若木で生い茂る浜辺など、森林の中を通るこの道は常に変化する科学にあふれ、生態学の手本になると言えるでしょう。 写真: Emily Mount