ある夏の暑い日に、長時間坂を登り続けてこの高い地点に辿り着き、皆疲れ切ってそれぞれ自分の好きなところを見つけて休憩していました。突然の「クマが来た!」との声に急いで起きてみると、アメリカグマが小丘を越え、こちらに向かって走ってくるではありませんか。立ち上がってみると、クマは丁度、叫ぶ我々三人の三角形に囲まれた状態になり、少々ストレスを感じているように見えました。そこで、私たちは叫ぶのを止めて静かにし、クマ撃退スプレーを取り出し、万が一に備えて構えました。クマは私から4メートル半ほどのところをのんびりと通り過ぎ、斜面の茂みに入り込み、ブルーベリーを食べ始めました。友人の一人がこちらにやってきて「寝てたんだよな。夢見ながら。で、目が覚めたらクマの顔がすぐ上にあったんだ。」と言いました。「で、どうした?」「飛び起きて、大声を上げた。」この話をアラスカの友人にすると、皆友人の友人がクマに顔をなめられている時に目が覚めたなどという話をします。そして、やはり飛び起きて、生き延びたのだと。皆、無意識にそう反応するのでしょうか。 写真: Bill Eichenlaub